結膜弛緩症とは?
涙目・異物感・結膜下出血との関係
「涙があふれる」「目がゴロゴロする」「白目の出血を繰り返す」——その症状は、白目の表面にできた結膜のたるみが関係していることがあります。
このような症状はありませんか?
- 泣いていないのに涙があふれる
- 目の下側にゴロゴロ感や引っかかりがある
- 読書やスマートフォンで不快感が増す
- 乾く感じがある一方で涙も多い
- 結膜下出血(白目の出血)を繰り返す
結膜弛緩症で起こりやすい症状
たるみの程度と自覚症状は必ずしも一致しません。軽いひだでも、涙の流れやまばたきに影響する場所にあると強い違和感が出ることがあります。
涙目・流涙
余った結膜が涙のたまり場や涙点周辺を邪魔し、涙が頬へあふれることがあります。
涙があふれる 視界がにじむゴロゴロ感
たるんだ結膜がまばたきで擦れ、砂が入ったような感覚や下側の引っかかりを起こします。
瞬きで気になる乾燥・かすみ
涙の膜が不安定になり、乾燥感、ヒリヒリ感、かすみ、疲れ目が出ることがあります。
ドライアイ合併結膜下出血
動きやすい結膜と細い血管に刺激が加わり、白目の出血を伴うことがあります。
繰り返す出血下を向くと悪化
読書やスマートフォンで下を向くと、結膜のひだが角膜側へ寄り、違和感が増すことがあります。
充血・不快感
摩擦や涙の停滞が続くと、充血、ヒリヒリ感、重たい感じなどが出ることがあります。
原因とアレルギー・目こすりへの注意
加齢によるゆるみ
結膜とその下の組織の結びつきが弱くなり、余った結膜が折り重なりやすくなります。
慢性的な炎症と摩擦
眼表面の炎症や長年のまばたきによる摩擦が、結膜の支持組織に影響すると考えられています。
涙の循環の悪化
たるみが涙を停滞させ、その刺激がさらに眼表面の不快感を強める悪循環が起こることがあります。
アレルギー性結膜炎で目をこすらないことが大切です
アレルギー性結膜炎ではかゆみが強く、繰り返し目をこすると結膜や角膜へ大きな機械的刺激が加わります。目こすりだけが結膜弛緩症を直接起こすと断定できる十分な研究はありませんが、炎症と摩擦を減らすことは眼表面を守るうえで重要です。
結膜弛緩症が涙目を起こす3つのしくみ
涙の流れをせき止める
結膜のひだが下まぶたに沿う涙のたまりへ入り、涙が目頭へ移動しにくくなります。
涙点を邪魔する
鼻側の結膜が涙点付近へかぶさると、涙の吸い込みが悪くなり、目からあふれやすくなります。
刺激で涙が増える
まばたきによる摩擦刺激で反射性の涙が増え、流れにくさと重なると涙目が強くなります。
涙目は多角的な診断が必要です
逆さまつげによる角膜の傷、アレルギー性結膜炎、ドライアイ、角膜炎、涙道狭窄・鼻涙管閉塞、眼瞼内反・外反などでも涙が増えます。目の表面、まぶた、まつげ、涙道を総合的に確認します。
繰り返す結膜下出血との関係
結膜弛緩症が関係する場合
たるんだ結膜がまばたきのたびに動き、表面の細い血管へ摩擦や引っ張りの力が加わることで、結膜下出血を伴うことがあります。繰り返す出血、異物感、涙目が同じ側にある場合は候補の一つとして確認します。
他の原因も確認します
高血圧、抗血小板薬・抗凝固薬、目をこすること、咳やいきみ、外傷、血液の病気などでも出血します。頻回に繰り返す、両眼に起こる、鼻血やあざもある場合は詳しい確認が必要です。
有田眼科で行う検査と鑑別
症状の確認
涙目、異物感、乾燥、かすみ、結膜下出血の頻度、片眼か両眼か、下方視で悪化するかを確認します。
細隙灯顕微鏡検査
ひだの位置・高さ・範囲、涙点へのかぶさり、角膜の傷、炎症、逆さまつげを確認します。
涙液の評価
蛍光色素などを用い、涙液メニスカス、涙の安定性、角膜・結膜の染色、涙の停滞を評価します。
涙道・まぶたの評価
鼻涙管閉塞が疑われる場合は涙道検査を検討し、まぶたや涙点の位置も確認します。
| 症状 | 結膜弛緩症の所見 | 同時に確認する原因 |
|---|---|---|
| 涙目 | 結膜のひだ、涙点へのかぶさり、涙の停滞 | 鼻涙管閉塞、涙道狭窄、ドライアイ |
| ゴロゴロ感 | まばたきや下方視で悪化 | 逆さまつげ、角膜の傷、異物 |
| かゆみ・充血 | 摩擦性の刺激 | アレルギー性結膜炎、眼瞼炎 |
| 結膜下出血 | 動く結膜と血管への刺激 | 高血圧、薬剤、外傷、血液疾患 |
結膜弛緩症の手術
点眼治療で改善しない強い涙目、異物感、繰り返す結膜下出血などがあり、結膜のひだが症状の主な原因と判断される場合に手術を検討します。余った結膜を適切な範囲で処理し、結膜表面を平らに整え、涙の流れとまばたき時の摩擦を改善します。

主な手術方法
- 点眼・局所麻酔で痛みを抑える
- 症状に関係する余剰結膜を確認する
- 余剰結膜を切除または凝固する
- 必要に応じて細い糸で縫合・固定する
- 抗菌薬・抗炎症薬の点眼を行う
切除・縫合、熱凝固、羊膜移植、組織接着剤など複数の術式があり、状態に応じて選択します。
術後の経過と抜糸
軽い痛み、しみる感じ、涙、充血が出ることがあります。
腫れや異物感が残り、縫合糸がある間はゴロゴロしやすくなります。
傷の状態を確認し、必要な場合は抜糸を行います。
結膜の腫れが落ち着くにつれて、涙目や引っかかりの改善を確認します。
手術後に期待できる変化
結膜のひだが減ることで、まばたき時の摩擦と涙の流れが改善し、涙目、ゴロゴロ感、乾燥感、かすみ、繰り返す結膜下出血などの改善が期待されます。ただし涙道閉塞やドライアイなど別の原因がある場合は、追加治療が必要です。
文献からみた結膜弛緩症
涙の排出と結膜下出血
結膜のひだが涙液メニスカスを途切れさせ、涙の排出遅延を起こすこと、結膜下出血が特徴的な所見になり得ることが報告されています。
Di Pascualeら, Br J Ophthalmol, 2004
涙目と生活の質
涙の膜の不安定性とまばたき時の摩擦が、自覚症状や生活の質に関連すると報告されています。
Komuroら, Diagnostics, 2021
流涙に対する手術
涙道閉塞などを除外した結膜弛緩症の流涙に対し、結膜切除後に症状改善を認めた後ろ向き研究があります。
Francisら, Br J Ophthalmol, 2013
縫合と抜糸
余剰結膜切除と羊膜移植を行い、術後10〜15日で抜糸した症例報告があります。実際の抜糸時期は術式と傷の状態で調整します。
Georgiadisら, Cornea, 2001
よくある質問
涙が出るのにドライアイですか?
ドライアイの刺激で反射性の涙が増え、結膜のひだで涙が流れにくくなると、「乾くのに涙があふれる」状態が起こります。
結膜下出血を繰り返すと手術ですか?
まず高血圧、薬剤、外傷、血液疾患なども確認します。結膜弛緩症との関連が強く、症状を繰り返す場合に手術を検討します。
術後のゴロゴロ感はいつまでですか?
縫合糸がある間は異物感が出やすく、約1週間後の抜糸で軽くなることがあります。腫れによる違和感は徐々に落ち着きます。
手術で涙目は必ず治りますか?
結膜弛緩症が主な原因なら改善が期待できますが、鼻涙管閉塞、ドライアイ、逆さまつげなどがあれば、それぞれの治療も必要です。
涙目・ゴロゴロ感・繰り返す白目の出血をご相談ください
有田眼科では、結膜弛緩症だけでなく、ドライアイ、アレルギー、逆さまつげ、角膜の傷、涙道の異常まで確認し、症状の原因に合った治療をご提案します。
- 結膜のひだと涙の流れを丁寧に確認
- 流涙の原因を多角的に診断
- 点眼治療から日帰り手術まで幅広く対応
有田眼科の基本情報
結膜弛緩症・涙目でお困りの方へ
目の表面だけでなく、まぶた・まつげ・涙の通り道まで確認し、点眼治療から日帰り手術まで状態に合わせてご説明します。
- 医院名
- 有田眼科
- 医師名
- 有田 量一
- 住所
- 〒810-0033 福岡県福岡市中央区小笹2丁目2-3
- 電話
- 092-707-2132
- 診療案内
- 外来診療から日帰り手術まで幅広く対応
福岡市中央区・福岡市南区を中心に、桧原、西長住、柏原、花畑、東油山などからもご相談いただけます。