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2023.04.19

疾患について

子供の過矯正問題 - メガネの量販店での注意喚起と眼科でできる対策

4月に入り学校検診や就学前検診などが行われるようになり、子供さんの近視による視力低下で受診されるようになりました。最近は大型ショッピングモールなどで安くメガネを購入できるようになったため、多くの方はメガネ量販店でメガネを購入されることが多いと思いますが、メガネの量販店において、子供の眼鏡が過矯正となっている問題が増えています。 過矯正とは、眼鏡の度数が本来必要な度数よりも強くなってしまう現象のことで、過矯正のメガネを装用することで子供の目の発育に悪影響を及ぼすことがあります。

過矯正が起こる原因として、以下の点が考えられます

  • 店員の技術や経験不足:正確な検査や適切な眼鏡の選択が難しくなります。
  • 子供の主張に対する理解の不足:子供は自分の見え方をうまく伝えられない場合があります。
  • 売上重視の営業方針:メガネの度数を測定する際、なるべく時間をかけずに機械だけで安易にメガネの度数を決定してしまう。

過矯正が子供の目に付く影響は大きく、以下のような問題が生じます

  • 眼精疲労:度数が強すぎる眼鏡をかけることで、目の疲れや頭痛が生じます。
  • 遠視や近視の進行:過矯正がずっと続くと、遠視や近視の進行が早まることが考えられます。

過矯正を防ぐための対策

初めてのメガネの場合は、あまり強い眼鏡を装用すると近視の進行が進みやすくなったり、気持ち悪くて装用できない場合がありますので、最初はやや弱めに度数を合わせることが多いです。
眼鏡屋さんにもよりますが眼鏡の保証は約6か月程ある店舗が多く、6ヶ月ほど経つと今よりさらに近視が進行していることがありますし、
眼鏡を装用することに慣れてきて最初に調整した度数では、見え方が弱く感じるようになってくることがあります。保証期間内は眼鏡の度数調整ができることが多いので、保証期間ギリギリで再度メガネの度数調整を行うことをお勧めします。子供さんは成長とともに近視の度数が変わりやすいため、定期的な度数のみな見直しも重要です。
 
必要以上に強い度数のメガネをかけていることは、眼球が常に緊張している状態となるため、目の疲れや頭痛の原因となります。また眼位にも影響することがあります。
子供さんの眼鏡度数の決定は眼科で行うことをお勧めしています。眼科では、子供さんの眼の状態を正確に評価し、子供さんの目の変化に応じて適切な度数の眼鏡を処方することができます。
眼科で度数を決定後は眼鏡処方箋をお出ししますので、その処方箋を持参して信頼のおける眼鏡屋さんで眼鏡を作成されてください。
 
最後に、近視はスマートフォンやタブレットなどを見る際に目を近づけ過ぎると進行が速くなりますので、なるべく目を離して見るように心がけてください。特にスマートフォンの使用は目を近づけて見ますので、近視の進行を早めてしまいます。
また、YouTubeなどの動画を長時間続けてみると悪化の原因に繋がります。
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