セタネオ®点眼液0.002%
長時間持続する眼圧下降効果に注目
1日1回の点眼で、昼間から夜間まで。 最終点眼から48時間後にも 眼圧下降が観察された新しい緑内障治療薬。
セタネオ®点眼液0.002%は、 セペタプロストを有効成分とする 緑内障・高眼圧症治療薬です。
FP受容体とEP3受容体への二重の作用を持ち、 長時間にわたる眼圧下降効果が 臨床研究で報告されています。
2026年11月1日から処方制限が解除され、 長期的な治療でも選択しやすくなりました。
有効成分:セペタプロスト
セタネオが注目される5つの特徴
FP+EP3への二重作用
従来のFP受容体を主な標的とする薬とは異なり、 FPとEP3の二つの受容体を刺激します。 房水流出を促す独自の薬理学的特徴があります。
夜間を含む24時間の眼圧下降
24時間眼圧を調べた研究で、 昼間だけでなく夜間の眼圧下降も観察されました。 夜間眼圧管理の観点から注目される特性です。
最終点眼48時間後にも効果を観察
海外の探索的研究で、最終点眼から 36時間後、48時間後にも 治療前より低い眼圧が観察されました。
52週間の眼圧下降効果
国内長期臨床試験で、 52週間にわたり有意な眼圧下降が持続しました。 長期間使用する緑内障点眼薬として 重要なデータです。
1日1回で治療を継続
承認用法は1回1滴・1日1回です。 点眼回数が少ないことは、 毎日続ける治療で大切な利点の一つです。
処方制限解除で使いやすく
2026年11月1日から処方制限が解除され、 医師の判断で処方期間を設定しやすくなりました。
特に、昼間の眼圧だけでは十分に評価できない 夜間眼圧や、点眼後の効果持続時間について 研究が進められている点は注目に値します。
ただし、従来薬より常に優れた眼圧下降効果を示すと 確立されたわけではなく、患者さんごとの 治療反応を確認することが重要です。
2026年11月1日から処方制限解除|継続治療で使いやすくなりました
セタネオ®点眼液0.002%は、 2025年10月に国内で発売された薬剤です。
2026年11月1日から新医薬品としての 処方制限が解除され、患者さんの眼圧や 緑内障の状態に応じて、長期処方を 検討できるようになりました。
緑内障は長期間の眼圧管理が大切な病気です。 処方制限解除によって、 安定した患者さんでは処方日数の選択肢が広がり、 治療計画を立てやすくなります。
新しく点眼を開始した方や眼圧が安定していない方では、 比較的早い時期に効果や副作用を確認する必要があります。 長期処方が可能になっても、定期的な診察は重要です。
新しい作用機序|FP受容体とEP3受容体の二重刺激
セタネオの有効成分セペタプロストは、 二環式プロスタグランジン誘導体です。 点眼後に角膜などで活性代謝物へ変化し、 FP受容体とEP3受容体を刺激します。
FP受容体
ラタノプロストなどにも関係する受容体です。 房水の流出を促進し、眼圧を下げる作用に 重要な役割を持ちます。
EP3受容体
FP受容体とは異なるプロスタノイド受容体です。 セペタプロストの活性代謝物は この受容体も刺激します。
セタネオの長時間作用にEP3受容体が関係する可能性
非臨床試験では、EP3受容体の働きを阻害すると、 セペタプロスト点眼後の比較的遅い時間帯で 眼圧下降作用が減弱するという結果が示されています。
サルを用いた研究では、点眼後26時間の 眼圧下降作用へのEP3受容体の寄与が示唆されました。 これは、セタネオの持続的な眼圧下降作用を 考えるうえで興味深い知見です。
EP3受容体が長時間作用へ寄与する可能性は 非臨床研究から示唆されていますが、 ヒトでの長時間作用の仕組みがすべて 解明されているわけではありません。
房水の二つの流出経路
房水の流出には、主に線維柱帯を通る経路と ぶどう膜強膜流出路があります。
サルの房水動態研究では、 セペタプロストにより、 線維柱帯流出路を介すると推測される 房水流出率と、ぶどう膜強膜流出量の 両方が増加する傾向が観察されました。
これらは非臨床データであり、 ヒトでの各流出経路への寄与率を 直接示すものではありません。資料[1]。
セタネオの大きな特徴|長時間にわたる眼圧下降効果
緑内障の眼圧は、一日中同じ数値ではありません。 朝・昼・夕方だけでなく、夜間にも変動します。
そのため、診察室で測定した眼圧だけでなく、 点眼後のどの時間帯まで眼圧下降が続くか という視点も大切です。
海外研究で、最終点眼後36時間・48時間にも眼圧下降を観察
Konstasらが2025年に報告した臨床研究では、 セペタプロスト0.002%を1日1回、 3か月間使用した患者さんについて、 24時間眼圧や最終点眼後の眼圧を調べました。
その結果、最終点眼から36時間後と 48時間後においても、 治療開始前より平均眼圧が低い状態が観察されました。
※上図は測定時点を示した概念図です。 眼圧の実測推移や効果の大きさを表すグラフではありません。 研究[4]。
一方、時間とともに下降幅は小さくなるため、 点眼を忘れても問題ないという意味ではありません。 承認用法は1日1回です。
国内52週間試験でも、最終点眼から約36~44時間後に効果が残存
国内のANGEL-J2試験では、 52週間の治療を終えた患者さんの一部で、 最終点眼から約36~44時間後の眼圧も評価しました。
眼圧下降幅は通常の点眼継続時より小さくなりましたが、 単剤使用の2群では、いずれも治療開始前と比較して 統計学的に有意な眼圧下降が維持されていました。
開始眼圧16~22mmHg未満の群
開始眼圧22~34mmHgの群
52週終了翌日の評価に参加した各32例・33例の結果。 両群とも開始前との比較でp<0.0001。 開始眼圧などが異なるため群間の単純比較はできません。 研究[3]。
国内第III相試験で確認された眼圧下降効果
ANGEL-J1|ラタノプロストに対する非劣性を確認
日本人の原発開放隅角緑内障または 高眼圧症患者325人を対象に、 セタネオ0.002%とラタノプロスト0.005%の 眼圧下降効果が比較されました。
セタネオは、代表的な緑内障点眼薬である ラタノプロストに対し、 規定された非劣性基準を満たしました。 3か月間の評価でも同様の結果が得られています。
4週時の平均日中眼圧変化量の調整済み平均値。 群間差0.32mmHg、95%信頼区間−0.12~0.77mmHg。 非劣性許容幅1.5mmHg。研究[2]。
ANGEL-J2|52週間にわたる持続した眼圧下降
国内ANGEL-J2試験では131人を対象として、 セペタプロスト単剤またはチモロールとの併用による 52週間の治療成績が評価されました。
| 治療群 | 52週時の眼圧変化量 | 内容 |
|---|---|---|
| セタネオ単剤・比較的低い開始眼圧 | −4.40mmHg | 開始眼圧16~22mmHg未満 |
| セタネオ単剤・高い開始眼圧 | −6.38mmHg | 開始眼圧22~34mmHg |
| セタネオ+チモロール | −7.51mmHg | 開始眼圧22~34mmHg |
開始眼圧や併用薬が異なるため、 表の3群の眼圧下降量をそのまま比較して セタネオ単独の優劣を判断することはできません。 研究[3]。
眼圧下降は治療開始後の比較的早い時期から観察され、 52週時まで維持されました。 ただし、他剤より長期間優れることや 視野進行抑制における優越性を直接示した試験ではありません。
文献的考察|セタネオの長時間作用と夜間眼圧への期待
① 夜間眼圧にも注目した臨床研究
緑内障患者さんの眼圧は夜間にも変動し、 診察時の眼圧測定だけでは すべての変動を把握できません。
2025年に発表された24時間眼圧研究では、 33人をセペタプロスト群17人と ラタノプロスト群16人に分け、 昼夜の眼圧を調べました。
24時間平均眼圧
3か月時の平均眼圧は セペタプロスト群17.31mmHg、 ラタノプロスト群18.19mmHgでした。
セペタプロスト群が数値上0.88mmHg低値。
夜間眼圧
3か月時の夜間眼圧は、 セペタプロスト群が ラタノプロスト群より 平均1.61mmHg低い数値でした。
夜間眼圧管理の可能性を示す興味深い結果です。
いずれも小規模な探索的研究であり、 通常の5%有意水準では 統計学的な群間差は確認されていません。 夜間眼圧では有利な傾向がみられましたが、 優越性の確証にはより大規模な研究が必要です。
② 48時間にわたる作用持続には臨床的な意味があるか
眼圧下降効果が点眼後長時間にわたり 観察されたことは、 セタネオの薬理学的特徴を考えるうえで重要です。
ただし、48時間後に効果が残っていたことと、 48時間ごとの点眼で十分に治療できることは 同じではありません。
現在の承認用法どおり、 毎日1回の点眼によって 持続的な眼圧管理を目指す薬剤 と理解することが適切です。
③ EP3受容体への作用が持続性に寄与する可能性
セペタプロストはFP受容体だけでなく EP3受容体にも作用します。 非臨床研究では、 EP3受容体を介した作用が 点眼後の遅い時間帯の眼圧下降に 関係する可能性が示唆されています。
この特徴は、セタネオの持続的な眼圧下降作用を 考えるうえで興味深い点ですが、 それだけで他のプロスタグランジン関連薬より 効果が高いと判断することはできません。
④ 強い眼圧下降効果と長期使用時の忍容性
ANGEL-J1ではラタノプロストと比較可能な 眼圧下降効果が確認され、 ANGEL-J2では52週間の効果持続が報告されています。
これらの結果から、 セタネオは緑内障・高眼圧症の 長期的な眼圧管理で期待できる選択肢と考えられます。
一方で結膜充血や睫毛の変化などの 副作用がみられるため、 効果と継続のしやすさを 両方確認することが重要です。
セタネオの注目点は、 二重受容体への作用、1日1回の点眼、 夜間を含む眼圧下降、最終点眼後の持続性、 52週間の長期データが揃っていることです。
実際の処方では、これらの特性を参考にしつつ、 目標眼圧、視野、OCT、既存の点眼治療、 副作用などから適応を判断します。
従来の緑内障点眼薬と何が違うのか
| 薬剤・種類 | 主な作用 | 特徴 |
|---|---|---|
| セタネオ | FP+EP3受容体刺激 | 1日1回。24時間眼圧と長時間作用、 52週間のデータが報告されている。 |
| ラタノプロスト | 主にFP受容体刺激 | 1日1回。長年使用されている 代表的な緑内障治療薬。 |
| オミデネパグ | EP2受容体刺激 | 1日1回。FP作動薬とは異なる 受容体に作用する。 |
| ロープレッサ | ROCK阻害+NET阻害 | 1日1回。房水の主流出路を含む 異なる仕組みに作用する。 |
それぞれ作用機序や副作用が異なり、 セタネオがすべての患者さんで最も適するとは限りません。 現在の薬剤で目標眼圧へ到達している場合、 必ずしも変更が必要とは限りません。
セタネオの副作用と安全性
眼圧を下げる効果だけでなく、 副作用を確認しながら 長期間の治療を継続することが大切です。
結膜充血
国内第III相試験でセタネオ群29.6%に 薬剤関連の結膜充血がみられました。 多くは軽度でしたが、充血の程度や 持続を確認する必要があります。
睫毛の変化・眼瞼部多毛
まつげが長く、太く、多くなる、 目の周囲の毛が増えるなどの変化があります。 添付文書には睫毛の異常18.2%と記載されています。
色素沈着・目元の変化
虹彩やまぶたの色調変化、眼瞼溝深化などが 起こることがあります。 虹彩色素沈着は中止後も元に戻らない 場合があります。
角膜障害・刺激感
点状角膜炎、眼乾燥感、眼刺激などが 起こることがあります。 しみる、痛いなどが続く場合は 眼科で確認してください。
眼内レンズ挿入眼では黄斑浮腫などに 注意する必要があります。 使用する際には手術歴や黄斑の状態などを 確認して判断します。
薬剤による副作用だけでなく、 別の眼疾患が原因となっている可能性もあります。
セタネオの点眼方法|1回1滴・1日1回
1.手を洗って点眼
容器の先端を眼やまつげに触れさせないようにして、 指示された眼に1滴点眼します。
2.静かに閉眼
点眼後1~5分間は静かに閉眼し、 涙嚢部を軽く圧迫します。
3.余分な液を拭き取る
眼の周囲についた薬液は拭き取るか、 洗顔して落とします。
4.他の点眼薬と間隔をあける
別の点眼薬を併用する場合は、 少なくとも5分以上の間隔をあけます。
ソフトコンタクトレンズ装用時は、 点眼前にレンズを外し、 点眼後少なくとも5~10分あけて再装用します。
点眼間隔を自己判断で延ばしたり、 眼圧が下がっているという理由で 点眼を中止したりしないでください。
有田眼科の緑内障診療|目標眼圧と進行度に合わせた治療
福岡市中央区小笹の有田眼科では、 緑内障の治療において、 単に眼圧の数値を下げるだけでなく、 視神経や視野の変化を継続して評価しています。
眼圧・目標眼圧
現在の眼圧が適切か、 目標眼圧へ到達しているかを評価します。
OCT・視野検査
視神経の構造変化と 視機能の変化を過去の検査と比較します。
薬剤の使い分け
治療効果、副作用、点眼本数、 継続のしやすさを確認します。
セタネオを含めた点眼薬の選択は、 現在の治療でどの程度眼圧が下がっているか、 視野やOCTの進行がないか、 副作用がないかなどを確認して行います。
必要に応じてSLTレーザー治療や 緑内障手術なども検討します。
セタネオについてよくある質問
セタネオはいつから処方制限が解除されたのですか?
2026年11月1日から処方制限が解除されました。 処方日数は病状や眼圧、副作用などを確認して 医師が判断します。
セタネオは48時間効果が続くのですか?
臨床研究では、最終点眼から36時間後・48時間後にも 治療前より低い眼圧が観察されました。 ただし効果は時間とともに弱くなるため、 毎日1回の点眼が必要です。
セタネオは夜間の眼圧にも効果がありますか?
24時間眼圧を調べた研究では、 夜間にも眼圧下降が認められています。 ラタノプロストより低い数値が得られた 探索的研究もありますが、 優越性が確立したわけではありません。
セタネオは従来の点眼薬より強いですか?
国内第III相試験ではラタノプロストへの 眼圧下降効果の非劣性が確認されています。 すべての患者さんで他剤より強いという 結果ではありません。 目標眼圧や副作用を考慮して選びます。
セタネオは1日何回点眼しますか?
1回1滴、1日1回です。 点眼時間や他剤との組み合わせは 医師の指示に従ってください。
セタネオで目が赤くなることはありますか?
結膜充血が起こることがあります。 国内第III相試験では29.6%に認められました。 強い充血、痛み、視力低下がある場合は 眼科へ相談してください。
長く使用しても効果は続きますか?
国内52週間試験では、 52週時まで有意な眼圧下降効果が 維持されました。 実際の治療では定期的な眼圧、 OCT、視野検査による確認が重要です。
現在の緑内障点眼薬から変更した方がよいですか?
現在の点眼薬で眼圧が安定し、 視野やOCTの進行が抑えられている場合は、 必ずしも変更する必要はありません。 変更の適否は検査結果から判断します。
主な参考文献
- 参天製薬/PMDA. セタネオ点眼液0.002% 電子添文・ 医薬品インタビューフォーム. PMDA 医薬品情報
- Inatani M, et al. Efficacy and safety of sepetaprost in patients with primary open-angle glaucoma or ocular hypertension: results from the randomised, phase 3 ANGEL-J1 study. Jpn J Ophthalmol. 2026;70:957–965. 原著論文
- Inatani M, et al. Long-term safety and efficacy of sepetaprost, with or without timolol, in patients with open-angle glaucoma or ocular hypertension: results from the randomised, phase 3 ANGEL-J2 study. Jpn J Ophthalmol. 2026;70:940–948. 原著論文
- Konstas AG, et al. A Study of 24-h Efficacy and Safety of Sepetaprost vs. Latanoprost in Patients with Primary Open-Angle Glaucoma or Ocular Hypertension. Adv Ther. 2025;42:3810–3825. 原著論文
- 参天製薬.セタネオ点眼液0.002% 製品・安全性情報. 2026年10月 投薬期間制限解除のお知らせ. 参天製薬公式情報
本記事は2026年11月2日時点の公表情報に基づきます。 臨床試験は研究集団の平均的な結果であり、 個々の患者さんへの効果を保証するものではありません。
緑内障の点眼治療についてご相談ください
有田眼科では、現在の眼圧、目標眼圧、 OCT・視野検査の経過、点眼薬の副作用などを 確認しながら治療方針を考えます。
有田眼科 院長 有田 量一
〒810-0033 福岡県福岡市中央区小笹2丁目2-3
電話:092-707-2132