福岡で涙嚢鼻腔吻合術
(鼻内法)を検討されている方へ
鼻涙管閉塞による涙目・目やにを改善するため、 鼻の中から新しい涙の通り道を作る手術です。 有田眼科では 局所麻酔とプレセデックスによる静脈内鎮静を併用した 涙嚢鼻腔吻合術鼻内法を行っています。 全身状態を確認し、術前から手術、術後まで一貫して診療します。
皮膚を切らず、鼻の中から涙の通り道を再建
- 鼻内視鏡を使い、鼻の穴から手術します
- 顔の皮膚に手術創を作らない方法です
- 局所麻酔に静脈内鎮静を併用します
- 深い鎮静で、眠っているような状態を目指します
- 再閉塞時の再手術や涙管チューブ留置にも対応します
- 涙嚢腫瘍の可能性も含めて術前に評価します
一般に静脈麻酔と呼ばれることがありますが、 本ページでは全身麻酔と区別するため「静脈内鎮静」と表記します。 自発呼吸を保ちながら、眠っているような状態を目指す方法です。
涙嚢鼻腔吻合術(鼻内法)とは
涙嚢鼻腔吻合術は、詰まった鼻涙管そのものを無理に広げるのではなく、 涙嚢と鼻腔を直接つなぐ新しい排出経路を作る手術です。 鼻内法では、鼻内視鏡を使い、鼻の穴から粘膜と骨の一部を処理して 涙嚢を開放します。
顔の皮膚を切開しない
鼻の穴から手術を行うため、 通常は目頭周囲の皮膚に切開創を作りません。 傷跡を心配する方にとって大きな特徴です。
閉塞部を迂回する
涙嚢と鼻腔を直接つなぐため、 鼻涙管の閉塞部分を迂回して、 涙を鼻へ流すための新しい出口を作ります。
内視鏡で術後も確認
手術後は、新しく作った開口部に 粘膜の癒着、肉芽、瘢痕などが生じていないかを、 鼻内視鏡や涙道検査で確認します。
閉塞の場所、閉塞期間、涙嚢炎の有無、過去の治療歴などによって 適切な方法は異なります。 すべての鼻涙管閉塞に、最初から涙嚢鼻腔吻合術が必要になるわけではありません。
| 治療 | 主な考え方 | 検討される状態 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 涙管チューブ挿入術 | 本来の涙道を広げ、チューブで通り道を保ちます。 | 狭窄、比較的短い閉塞、 涙道内視鏡で治療可能と判断した場合など。 | 閉塞が強い場合や長期間経過した場合は、 十分な改善が得られないことがあります。 |
| 涙嚢鼻腔吻合術鼻内法 | 涙嚢と鼻腔の間に新しい通路を作ります。 | 鼻涙管の完全閉塞、涙嚢炎、 チューブ治療後の再閉塞など。 | 鼻出血、感染、粘膜の癒着、 肉芽、再閉塞などの可能性があります。 |
どのような方に検討する手術か
涙が出るという症状だけで手術を決めることはありません。 目の表面、まぶた、涙点、涙小管、涙嚢、鼻涙管、鼻腔まで確認し、 涙目の原因が涙道閉塞であるかを評価します。
涙が常にあふれる
室内でも涙を拭く必要がある、 涙で視界がにじむ、 外出や仕事に支障がある場合などです。
目やに・涙嚢炎を繰り返す
涙が停滞すると細菌が増えやすくなり、 目頭の腫れ、痛み、膿の逆流を繰り返すことがあります。
チューブ治療で改善しない
涙管チューブ挿入術後も閉塞が残る場合や、 チューブを抜いた後に再び詰まった場合に検討します。
涙が出る原因には、ドライアイ、角膜の傷、結膜炎、 結膜弛緩症、まぶたの異常などもあります。 涙道手術を行う前に、涙目の原因を分けて考えることが重要です。
局所麻酔とプレセデックスによる静脈内鎮静
有田眼科では、原則35歳から80歳までの方を対象に、 局所麻酔とプレセデックスによる静脈内鎮静を併用した 涙嚢鼻腔吻合術鼻内法を行っています。 年齢だけでなく、心臓や呼吸器の状態、血圧、脈拍、 内服薬などを確認して適応を判断します。
手術中の意識や記憶が、できるだけ残らない鎮静を目指します
深い鎮静により、
眠っているような状態を目指します。
プレセデックスは、点滴から持続的に投与する鎮静薬です。 有田眼科では深めの鎮静を行うため、 手術中の意識がほとんどなく、 手術中のことを覚えていない方も多くみられます。
ただし、全身麻酔ではありません。 自発呼吸を保ちながら行う鎮静であり、 強い刺激や呼びかけによって反応する場合があります。 鎮静薬の効き方や記憶の残り方には個人差があります。
対象年齢と全身状態を確認します
プレセデックス鎮静を併用する手術の対象年齢は、 原則35歳から80歳までです。 対象年齢内であっても、 全身状態によっては院内での鎮静手術が難しい場合があります。
院内での鎮静手術が難しい場合があります
- 重い心臓疾患や心機能低下がある
- 著しい徐脈や高度な心臓の伝導障害がある
- 血圧や呼吸状態が安定していない
- より厳重な麻酔管理が必要と判断される
- 鎮静薬の使用が適切でないと判断される
心臓疾患や全身疾患があるだけで、 直ちに手術ができないということではありません。 お薬手帳、かかりつけ医の診療情報、検査結果などを確認して 個別に判断します。 院内での手術が難しい場合は、 大学病院などの連携医療機関をご案内します。
手術当日の朝は食事をとらずに来院してください。 水分摂取や普段の内服薬については、 病気や薬の種類によって対応が異なるため、 術前診察時に個別にご案内します。 糖尿病薬、インスリン、抗血小板薬、抗凝固薬などを 自己判断で中止しないでください。
術前検査から手術、術後診察まで
涙嚢鼻腔吻合術は、手術当日だけで完結する治療ではありません。 閉塞部位、鼻腔の状態、全身疾患、使用薬を確認し、 術後も新しい通り道が安定するまで継続して診察します。
診察と涙目の原因確認
症状の始まった時期、片眼・両眼の違い、 目やに、腫れ、痛み、血の混じった涙の有無などを確認します。
涙道検査・鼻腔の評価
涙道洗浄、通水検査、涙道内視鏡、鼻内視鏡などから 必要な検査を選び、閉塞部位と鼻腔内の状態を確認します。
全身状態と使用薬の確認
心臓病、高血圧、呼吸器疾患、糖尿病、 肝臓・腎臓の病気、抗血小板薬・抗凝固薬などを確認します。
手術当日の絶食について説明
静脈内鎮静を安全に行うため、手術当日の朝食は絶食です。 水分や内服薬については、心臓疾患、糖尿病、血圧、 使用している薬などを確認し、術前に個別の指示をお伝えします。
局所麻酔と静脈内鎮静
鼻腔と手術部位に局所麻酔を行い、 プレセデックスによる静脈内鎮静を開始します。 血圧、脈拍、呼吸、意識状態を確認しながら鎮静の深さを調整します。
鼻の中から涙嚢を開放
鼻内視鏡で確認しながら鼻粘膜と骨の一部を処理し、 涙嚢を広く開放して鼻腔への新しい通路を作ります。
必要に応じて涙管チューブを留置
閉塞部位、涙小管の状態、再手術かどうかなどを考慮し、 新しい通路を保つために涙管チューブを留置することがあります。
術後の鼻腔・涙道フォロー
鼻出血、感染、肉芽、粘膜の癒着、通水状態などを確認します。 チューブを留置した場合は、 状態を確認して抜去時期を判断します。
鎮静後は院内で休んでいただき、 十分に覚醒し、全身状態に問題がないことを確認します。 手術当日は車・バイク・自転車を自分で運転せず、 付き添い、送迎、タクシーなどをご準備ください。
術後5年以上の評価で、流涙症状改善率90%以上
有田眼科では、涙嚢鼻腔吻合術鼻内法を受け、 術後5年以上の経過を評価できた症例について、 涙があふれる流涙症状が改善したかを確認しています。
5年以上の長期経過を評価できた症例で確認
術後5年以上の経過を評価できた症例では、 涙があふれる、涙を繰り返し拭く必要があるといった 流涙症状の改善率は90%以上です。
この数値は、涙道の通水だけではなく、 患者さんが感じる流涙症状の改善を評価したものです。
手術結果には、閉塞部位、涙小管の状態、過去の治療歴、 鼻腔の形態、術後の粘膜癒着などによる個人差があります。 すべての方で症状の消失を保証するものではありません。
手術後も再閉塞する可能性があります
新しい通り道を作る
涙嚢と鼻腔の間に、涙を流すための開口部を作ります。
粘膜が治癒する
手術後、鼻粘膜と涙嚢粘膜が治癒していきます。
粘膜が再び貼り付く
治癒の過程で粘膜同士が癒着し、 開口部が狭くなることがあります。
流涙症状が再発する
涙の排出が悪くなり、 涙目や目やにが再び現れる場合があります。
鼻内視鏡で再閉塞部分を確認し、 再び貼り付いた粘膜、瘢痕組織、肉芽などを処理して 開口部を作り直します。 そのうえで涙管チューブを挿入し、 再形成した涙の通り道を一定期間保ちます。
鼻涙管閉塞だけでなく、涙嚢腫瘍との鑑別も大切です
涙目や涙嚢炎の多くは良性の涙道閉塞によるものですが、 頻度は高くないものの、 涙嚢腫瘍が似た症状を起こすことがあります。 手術を急いで決めるのではなく、 腫瘍を疑う所見がないかを確認します。
涙嚢腫瘍の可能性も考慮した涙道診療
院長 有田 量一
九州大学病院眼科で助教として勤務し、 眼腫瘍外来での診療および眼腫瘍手術に携わってきました。
その経験を生かし、 一般的な鼻涙管閉塞や涙嚢炎だけでなく、 涙嚢腫瘍が隠れていないかを確認しながら診療します。
血の混じった涙、目頭のしこり、 涙道洗浄時の血液の逆流、 片側だけに続く涙目などがある場合は、 画像検査や組織検査、大学病院との連携を検討します。
- 日本眼科学会専門医
- 医学博士(九州大学)
- 九州大学病院眼科 元助教
- 眼腫瘍外来・手術を担当
- 涙道疾患の診療・手術
初診、涙道検査、腫瘍との鑑別、 手術適応の判断、涙嚢鼻腔吻合術、 再閉塞時の治療、術後の経過観察まで、 術前から術後まで一貫してフォローします。
特に確認したい症状・所見
腫瘍が疑われる場合
画像検査、組織検査、大学病院への紹介などを検討します。 腫瘍の種類や広がりによっては、 通常の涙嚢鼻腔吻合術よりも 腫瘍の診断と治療を優先する必要があります。
涙目だけで腫瘍と判断することはできません。 一方で、涙道閉塞や涙嚢炎に似た症状を示すことがあるため、 手術前に疑わしい所見がないか確認することが大切です。
術前から術後まで一貫して確認します
手術後の再閉塞を早く見つけるためには、 症状だけでなく、鼻腔内の開口部や 涙道の通過状態を定期的に確認することが大切です。
初診・原因確認
涙目の原因が鼻涙管閉塞か、 目の表面やまぶたの病気かを確認します。
術前評価
涙道・鼻腔・全身状態を確認し、 手術方法と鎮静方法を検討します。
手術
鼻内視鏡を使い、 局所麻酔と静脈内鎮静のもとで通路を作ります。
術後診察
出血、感染、粘膜癒着、肉芽、再閉塞、 チューブの状態を確認します。
主なリスクと、院内での治療が難しい場合
涙嚢鼻腔吻合術鼻内法は高い改善率が期待できる一方、 手術と鎮静には一定のリスクがあります。 利点と限界を確認し、納得したうえで治療方法を選びます。
鼻出血
手術中や術後に鼻血が出ることがあります。 抗血小板薬・抗凝固薬を使用している方は、 休薬の可否を処方医と相談します。
感染・炎症
涙嚢炎、鼻腔内の感染、腫れ、痛みなどが 起こることがあります。 発熱や強い腫れがある場合は早めの診察が必要です。
粘膜癒着・再閉塞
傷が治る過程で粘膜が貼り付き、 新しい通路が狭くなることがあります。 処置や再手術が必要になる場合があります。
肉芽形成
開口部に炎症性の組織が増え、 涙の流れを妨げることがあります。 点眼、鼻腔処置、切除などを検討します。
涙管チューブの問題
チューブのずれ、脱落、異物感、目やに、 角膜への接触などが起こる場合があります。
鎮静による全身への影響
血圧低下、血圧上昇、徐脈、呼吸状態の変化、 覚醒の遅れなどが起こる可能性があります。
大学病院や連携医療機関をご案内することがあります
重い心臓・呼吸器疾患、全身状態の不安定、 複雑な鼻腔形態、涙嚢腫瘍の疑い、 全身麻酔や入院管理が必要な場合などは、 安全性を優先して大学病院、 耳鼻咽喉科や麻酔科のある医療機関をご案内します。
涙嚢鼻腔吻合術鼻内法のよくある質問
顔の皮膚を切りますか?
鼻内法では鼻の穴から内視鏡を入れて手術するため、 通常は顔の皮膚を切開しません。 病状や鼻腔の状態によっては、 別の手術方法が適切な場合があります。
手術中は完全に意識がなくなりますか?
全身麻酔ではありません。 プレセデックスによる深い鎮静で 眠っているような状態を目指します。 手術中の意識や記憶がほとんど残らない方もいますが、 呼びかけや刺激に反応する場合があり、 効き方には個人差があります。
何歳までプレセデックス鎮静を受けられますか?
有田眼科では、原則35歳から80歳までの方を対象としています。 対象年齢内でも、心臓や呼吸器の状態、血圧、脈拍、 使用している薬などによっては、 院内での鎮静手術が難しい場合があります。
手術当日の朝食は食べられますか?
手術当日の朝食は絶食です。 水分や普段の内服薬については、 病気や薬によって対応が異なるため、 術前診察時の指示に従ってください。 内服薬を自己判断で中止しないでください。
心臓病があると手術を受けられませんか?
心臓病があるだけで一律に手術できないわけではありません。 病状、心機能、脈拍、血圧、使用薬を確認して判断します。 より厳重な麻酔・循環管理が必要な場合は、 連携医療機関をご案内します。
有田眼科の手術成績はどのくらいですか?
術後5年以上の経過を評価できた症例では、 流涙症状の改善率は90%以上です。 涙があふれる、涙を繰り返し拭く必要があるといった 患者さんの症状が改善したかを評価しています。 ただし、結果には個人差があり、再閉塞することもあります。
再び詰まった場合はどうしますか?
鼻内視鏡で再閉塞部分を確認し、 貼り付いた粘膜、瘢痕、肉芽などを処理して 開口部を再形成します。 そのうえで涙管チューブを挿入し、 再形成した通り道を一定期間保ちます。
院長は涙嚢腫瘍の診療経験がありますか?
院長の有田量一は、九州大学病院眼科で助教として勤務し、 眼腫瘍外来での診療と眼腫瘍手術に携わりました。 その経験を生かし、涙道閉塞だけでなく、 涙嚢腫瘍の可能性も考慮して診察します。
涙目・目やに・目頭の腫れを繰り返す方へ
鼻涙管閉塞かどうか、 涙管チューブと涙嚢鼻腔吻合術のどちらが適しているか、 静脈内鎮静を使用できる全身状態かを順番に確認します。
- 片眼だけ涙が続いている
- 涙と目やにを繰り返している
- 涙管チューブ後に再び詰まった
- 手術中の痛みや意識が不安
- 涙嚢腫瘍が心配
心臓病、呼吸器疾患、 抗血小板薬・抗凝固薬の使用がある方は、 受診時にお薬手帳と診療情報をご持参ください。
有田眼科 医院情報
- 医院名
- 有田眼科
- 医師名
- 有田 量一
- 住所
- 〒810-0033
福岡県福岡市中央区小笹2丁目2-3 - 電話
- 092-707-2132
- 診療案内
- 外来診療から日帰り手術まで幅広く対応
- 涙道診療
- 涙道検査、涙管チューブ挿入術、 涙嚢鼻腔吻合術鼻内法など
- 公式サイト
- https://www.arita-ganka.jp/