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2026.09.26

手術について

緑内障手術の種類と選び方|MIGS・iStent・プリザーフロ・線維柱帯切除術

緑内障手術を検討している方へ

緑内障手術は、「一番新しい手術」「一番負担が少ない手術」 「一番眼圧が下がる手術」だけで決めるものではありません。

まず考えるのは、その目の視神経と視野を将来にわたって守るために、 どこまで眼圧を下げる必要があるかです。 そのうえで、緑内障の病型、OCT・視野の進行、隅角、白内障、 点眼治療、過去の手術歴などを確認して治療方法を検討します。

福岡市中央区小笹の有田眼科では、SLT、iStent inject W、 流出路再建術、プリザーフロ®マイクロシャント、 線維柱帯切除術、ECPなど、作用する場所や特徴の異なる治療に対応しています。

有田眼科の眼科手術室
有田眼科の手術室

30秒でわかる|緑内障手術の選び方

  • 最初に決めるのは手術名ではなく、必要な「目標眼圧」です。
  • 現在の眼圧だけでなく、OCT・視野がどの速さで進行しているかを確認します。
  • SLT・iStent・流出路再建術は、本来の房水流出路を利用・改善する治療です。
  • プリザーフロや線維柱帯切除術は、結膜下へ新しい房水流出路を作る濾過手術です。
  • ECPは、房水の出口ではなく、房水を作る毛様体へ作用する別のアプローチです。
  • 必要な眼圧下降が大きいほど、低侵襲性だけではなく「その眼圧まで到達できる可能性」を重視します。

結論|「どの手術が一番よいか」ではなく「この目に何が必要か」で選びます

緑内障手術に、すべての患者さんへ共通する「一番よい手術」はありません。 必要な眼圧下降の大きさと、手術による負担、合併症、術後管理、 白内障の有無、将来の追加治療まで含めてバランスを考えます。

例えば、現在の眼圧を数mmHg下げることが主な目的の方と、 進行した緑内障でさらに低い眼圧が必要な方では、 同じ手術を選択するとは限りません。

また、白内障手術を同時に予定している方、 結膜をできるだけ温存したい方、 過去に何度か緑内障手術を受けている方でも治療戦略は変わります。

このページでは個々の術式の詳しい手技を繰り返すのではなく、 どのような情報を使って緑内障手術を選択するのかに焦点を当てます。

緑内障手術を選ぶ8つの判断軸

手術方法を考えるときは、一つの検査値ではなく複数の情報を重ねます。 とくに重要なのが次の8項目です。

1.必要な目標眼圧
2.緑内障の病型
3.OCTと視野の状態
4.進行速度
5.隅角の状態
6.白内障の有無
7.点眼治療の効果と負担
8.過去の手術歴と結膜の状態
必要な眼圧下降と治療負担を考えて術式を検討
1

目標眼圧|最も重要な出発点

一般的な正常範囲へ入れることと、その患者さんの緑内障を 十分に抑えられる眼圧は同じとは限りません。

治療前眼圧、病期、進行速度、年齢などから、 どの程度の眼圧下降が必要かを考えます。 目標眼圧についての詳しい考え方は専用ページで解説しています。

緑内障の目標眼圧について詳しく見る

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病型|同じ緑内障でも房水の出口は同じではありません

原発開放隅角緑内障、正常眼圧緑内障、閉塞隅角緑内障、 続発緑内障などでは、眼圧上昇の背景や隅角の状態が異なります。

そのため、「緑内障」という病名だけで iStentや流出路再建術などの適応を決めることはできません。

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OCT・視野|構造と機能を別々に確認します

OCTでは視神経周囲の網膜神経線維層や黄斑部の神経節細胞系などを評価し、 視野検査では実際の見える範囲の機能を評価します。

両者は同じものを測っている検査ではありません。 手術選択では、現在の障害だけでなく過去からの変化も確認します。

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進行速度|現在の重症度だけでは決めません

同じ視野障害でも、何年も安定している場合と 短期間に変化している場合では、将来のリスクは異なります。

進行が速い場合には、現在の眼圧が一般的な正常範囲であっても、 さらに低い目標眼圧を検討することがあります。

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隅角|MIGS・流出路手術を考えるうえで重要

隅角は房水の出口にあたります。 開いているのか、狭いのか、癒着があるのかを確認します。

iStentや流出路再建術など、 本来の流出路を利用する手術ではとくに重要な評価です。

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白内障|「同時にできるか」より「同時にする意味があるか」

白内障と緑内障の両方がある場合、 白内障手術だけにするのか、緑内障手術を同時に行うのかを検討します。

適応を満たす開放隅角緑内障では、 白内障手術とiStent inject Wを同時に検討する場合があります。

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点眼治療|本数よりも「実際に効いて続けられるか」

点眼本数が多いか少ないかだけではなく、 目標眼圧に届いているか、副作用がないか、 長期間継続できているかを確認します。

点眼負担を減らす目的と、大きく眼圧を下げる目的では、 選択する治療が異なることがあります。

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既往手術・結膜|「次の一手」まで考える

過去の白内障手術や緑内障手術、結膜の状態、 これまでの手術後の眼圧経過は次の術式に影響します。

とくに結膜下へ房水を流す濾過手術では、 結膜の状態や過去の手術歴を確認することが重要です。

手術名を覚えるより「房水のどこに働きかけるか」で整理すると分かりやすい

目の中では毛様体で房水が作られ、主に隅角から排出されています。 緑内障治療は大きく分けると、 房水を外へ流れやすくする方法と 房水の産生を抑える方法があります。

本来の出口を使う

SLT・iStent・流出路再建術

線維柱帯やシュレム管など、 目がもともと持つ房水流出経路を利用・改善する考え方です。

新しい出口を作る

プリザーフロ・線維柱帯切除術

前房から結膜下へ新しい房水流出経路を作る濾過手術です。 より低い目標眼圧が必要な場合などに重要になります。

作る量を抑える

ECP

毛様体を眼内視鏡で確認しながらレーザーを行い、 房水産生を抑えることで眼圧下降を目指します。

有田眼科で対応している主な緑内障治療を写真で見る

以下は有田眼科の既存ページで実際に紹介している治療・機器の画像です。 画像だけで術式を選ぶことはできませんが、 「どこへ働きかける治療なのか」を理解する参考になります。

SLT 有田眼科がSLT治療の説明で紹介しているレーザー装置
SLT 線維柱帯へレーザーを照射し、房水流出の改善を目指す治療。
iStent inject W iStent inject Wの緑内障手術用微小ステント
iStent inject W 線維柱帯からシュレム管への房水流出を改善する微小ステント。
流出路再建術 線維柱帯を切開して房水の流出路を改善する流出路再建術の模式図
流出路再建術 線維柱帯などへ眼内からアプローチし、本来の排水経路を利用します。
PRESERFLO プリザーフロ マイクロシャントの製品画像
プリザーフロ®マイクロシャント 前房から結膜下へ房水を導くための細いデバイスを使用します。
Trabeculectomy 線維柱帯切除術で結膜下へ新しい房水流出路を作る模式図
線維柱帯切除術 前房から結膜下へ新しい流出路を作る代表的な濾過手術です。
ECP ECPで使用するレーザー一体型内視鏡ファイバーカテーテル
ECP 眼内視鏡で毛様体を確認しながらレーザーを行う治療です。

SLT・MIGS・濾過手術・ECPの違いを比較

治療 主な作用部位 治療の考え方 白内障との関係 選択時に特に考えること
SLT 線維柱帯 切開せずレーザーで房水流出改善を目指す 白内障手術の有無とは独立して検討可能 病型、隅角、現在の眼圧、点眼負担
iStent inject W 線維柱帯〜シュレム管 本来の房水流出路を利用するMIGS 白内障手術と同時に検討 開放隅角か、必要な眼圧下降幅、点眼負担
流出路再建術 線維柱帯・流出路 本来の房水流出経路を再開通・改善する 症例に応じて判断 病型、隅角、目標眼圧、既往手術
プリザーフロ 前房〜結膜下 デバイスで新しい房水流出路を作る濾過手術 白内障とは別に適応を判断 必要な眼圧下降、結膜、術後管理
線維柱帯切除術 前房〜結膜下 新しい房水流出路を作る代表的濾過手術 個々に判断 より低い目標眼圧、病期、結膜、術後管理
ECP 毛様体 房水産生を抑える 症例に応じて判断 難治性、残存視機能、既往手術、他術式の可否
この比較表だけで術式を決定することはできません。 「軽症なら必ずMIGS」「重症なら必ず線維柱帯切除術」のような 単純な対応表ではありません。病型、必要な眼圧下降、隅角、 結膜、過去の治療などによって判断が変わります。

MIGSだから「一番よい」とは限らない理由

MIGSはMinimally Invasive Glaucoma Surgeryの略で、 一般に低侵襲緑内障手術と呼ばれる手術群です。 組織への侵襲を抑えながら眼圧下降を目指せることは重要な利点です。

しかし、緑内障手術の目的は「できるだけ小さい手術をすること」ではありません。 最も重要なのは、患者さんの将来の視野を守るために必要な眼圧を 長期的に目指せる治療を選ぶことです。

比較的穏やかな眼圧下降で十分な場合には、 MIGSが治療目的とよく合うことがあります。 一方、進行した緑内障などで非常に低い目標眼圧が必要な場合は、 濾過手術など別の方法が適することがあります。

つまり「低侵襲か、強い手術か」という二者択一ではなく、 必要な効果を得られる範囲で、できるだけ負担とのバランスがよい方法を考える というのが実際の手術選択です。

手術選択で考える3つのトレードオフ

1.眼圧下降の大きさ × 侵襲 必要な目標眼圧が低いほど、 単に侵襲の少なさだけで術式を選べない場合があります。
2.手術直後の負担 × 長期管理 緑内障手術は手術そのものだけではなく、 術後点眼、眼圧調整、追加処置なども含めて考えます。
3.今の治療 × 将来の治療選択肢 緑内障は長期間管理する病気です。 現在の手術後に追加治療が必要になる可能性も考慮します。

具体例で考える|同じ緑内障でも選択肢が変わります

以下は手術選択の考え方を理解するための一般的な例です。 実際の患者さんへの治療推奨を示すものではありません。

例1|白内障+開放隅角緑内障

白内障手術が必要で、現在より眼圧を下げることや 点眼負担の軽減を目指したい場合には、 隅角や病期などを確認してiStentなどを検討することがあります。

例2|切開手術を行う前の開放隅角緑内障

もう少し眼圧を下げたいものの、 必要な眼圧下降幅が極端に大きくない場合には、 SLTなどを検討できることがあります。

例3|視野が進行し、より低い目標眼圧が必要

点眼、レーザー、流出路を利用した治療だけでは 必要な眼圧へ届かないと考えられる場合、 プリザーフロや線維柱帯切除術などを検討します。

例4|複数の手術歴があり眼圧管理が難しい

結膜の状態、これまでの術式、残存視機能などを確認し、 ECPを含め別の作用機序を持つ治療を検討する場合があります。

症例名だけでは手術は決まりません。 同じ「正常眼圧緑内障」「開放隅角緑内障」であっても、 目標眼圧と進行速度が異なれば治療選択も変わります。

文献から考える|緑内障手術を単純なランキングにできない理由

緑内障手術について研究論文を読むと、 「SLTがよい」「MIGSがよい」「線維柱帯切除術の方が下がる」など、 一見すると異なる結論が並んで見えることがあります。

しかし研究ごとに、対象となった緑内障の重症度、 治療前眼圧、白内障手術の併用、評価したアウトカム、 必要とした目標眼圧が違います。 そのため研究結果を術式の単純な順位表にすることはできません。

EMGT

眼圧を下げる量は、進行抑制と関係します

Early Manifest Glaucoma Trialでは、 治療によって緑内障進行リスクが低下し、 研究内の解析では眼圧下降が大きいほど進行リスクが低い関連が示されました。

この結果は「何mmHgなら全員安全」という意味ではなく、 必要な眼圧下降量を考えることが治療選択の中心 であることを支持します。

LiGHT Trial

SLTは「点眼が効かなくなった後だけ」の治療ではありません

治療歴のない開放隅角緑内障・高眼圧症を対象としたLiGHT Trialでは、 初期治療としてSLTを用いる戦略が長期的にも検討されています。

ただし、この結果を進行した緑内障や 非常に低い目標眼圧が必要な患者さんへ そのまま当てはめることはできません。

iStent RCT

iStentの研究は「どの患者を対象にしたか」が重要

iStent injectを白内障手術へ追加したランダム化比較試験では、 軽度〜中等度の原発開放隅角緑内障を対象として、 白内障手術単独より無投薬時の眼圧下降などで有利な結果が報告されています。

一方、この研究は強い眼圧下降を必要とする すべての進行緑内障を対象とした試験ではありません。 iStent inject Wそのものの全症例へ結果を機械的に当てはめることもできません。

MicroShunt vs Trabeculectomy

「低侵襲」と「到達したい眼圧」のバランス

MicroShuntと線維柱帯切除術を比較したランダム化試験では、 両群で眼圧下降が得られましたが、 2年時点では線維柱帯切除術の方が低い平均眼圧と高い成功率を示した一方、 低眼圧は線維柱帯切除術群で多くみられました。

この結果は、術式選択では より低い眼圧を目指すことと術後リスクの両方 を考える必要があることを示します。

TAGS

進行した緑内障では、強い眼圧下降を早く考える場合があります

新たに診断された進行開放隅角緑内障を対象としたTAGSでは、 初期から線維柱帯切除術を行う群と薬物治療群が比較されました。 5年成績では手術群でより低い眼圧と、 視野進行に関する有利な結果が報告されています。

すべての緑内障で最初から線維柱帯切除術を行うという意味ではなく、 病期によって必要な治療強度が変わることを考える材料になります。

ECP Review

ECPは研究対象が幅広く、症例背景を確認して読む必要があります

ECPについては難治性緑内障や白内障手術との併用など、 異なる患者群を対象とした研究が報告されています。

研究デザインや対象疾患にばらつきがあるため、 他の術式と一律に比較せず、 過去の手術歴や残存視機能などから個別に位置づけます。

緑内障手術の論文を見るときに確認したい5項目

「この手術は○%成功した」という数字だけを見ても、 自分に合う手術かどうかは分かりません。 医学文献を治療選択へ利用する際には次の点を確認します。

  • 対象患者は似ているか
    軽度・中等度・進行例、原発開放隅角緑内障、続発緑内障などでは結果が異なります。
  • 白内障手術を同時に行っているか
    白内障手術単独でも眼圧が変化するため、MIGS研究では重要な確認項目です。
  • 「成功」の定義は何か
    眼圧18mmHg以下、20%以上下降、点眼なしなど、研究ごとに成功の定義が異なります。
  • 平均眼圧だけでなく合併症・追加処置も見ているか
    眼圧下降だけでなく、低眼圧、再手術、needlingなど術後管理も重要です。
  • 経過観察期間は十分か
    緑内障は長期疾患のため、6か月の結果と5年の結果を同じ意味で比較することはできません。
研究結果は「手術ランキング」ではなく、患者さんとの適合性を考える材料です。 有効性の数字だけでなく、対象となった患者さん、必要な目標眼圧、 安全性、術後管理まで確認して治療を考えます。

正常眼圧緑内障では「正常範囲だから低侵襲手術で十分」とは限りません

正常眼圧緑内障では、治療開始前から眼圧が一般的な正常範囲にあります。 そのため手術選択では、単純な眼圧の絶対値以上に、 その眼圧でOCT・視野が進行しているかが重要になります。

例えば現在の眼圧が低くても進行が続き、 さらに低い目標眼圧が必要と判断される場合には、 本来の房水流出路を利用する方法だけでは 必要な眼圧下降が得られない可能性も考慮します。

反対に、OCT・視野が長期間安定している場合には、 必要以上に強い治療を行わないことも重要です。

目標眼圧と進行速度について詳しく確認する

白内障がある場合|iStentを入れられるかではなく、入れる意味があるかを考えます

緑内障と白内障を合併している方では、 白内障による「かすみ・まぶしさ」と、 緑内障による「視野障害」を分けて考えます。

適応を満たす場合、白内障手術とiStent inject Wを 同時に行うことを検討できます。 ただし、白内障があるから全員にiStentを追加するわけではありません。

判断するのは「同時にできるか」ではなく「同時に行うことで治療目標に近づけるか」です。 目標眼圧が非常に低い場合には、 iStentとは異なる緑内障手術の方が適することもあります。

白内障と緑内障の同時手術について詳しく見る

有田眼科では検査から手術方法を絞り込みます

福岡市中央区小笹の有田眼科では、 手術名を先に決めるのではなく、眼圧、OCT、視野、視神経、隅角、 白内障、点眼薬、過去の治療歴を確認したうえで治療方法を検討します。

現在地を確認する

現在の眼圧、視神経障害、OCT、視野検査から、 今どの程度の状態なのかを確認します。

過去との変化を見る

一回の検査だけではなく、 過去の眼圧、OCT、視野を比較して進行速度を確認します。

必要な目標眼圧を考える

現在の治療で十分なのか、 さらにどの程度眼圧を下げる必要があるのかを考えます。

眼の条件を確認する

病型、隅角、白内障、結膜、 過去の眼科手術などから選択できる治療を絞ります。

効果と負担のバランスから術式を検討する

必要な眼圧下降、合併症、術後管理、将来の追加治療まで含めて 治療方法を検討します。

有田眼科の手術室
有田眼科 手術室
有田眼科の診察室
検査結果を確認する有田眼科の診察室
有田眼科の待合室
有田眼科 待合室

緑内障の診療・手術を担当する医師

有田眼科 院長 有田量一
診療・手術担当
有田眼科 院長 有田 量一

緑内障では同じ病名であっても、 必要な目標眼圧や適した治療方法は患者さんごとに異なります。

有田眼科では眼圧の数字だけを見るのではなく、 OCT、視野検査、視神経、隅角、これまでの経過、 点眼治療、白内障の有無などを確認しながら治療を考えます。

手術を行う場合も、一つの術式をすべての方へ当てはめるのではなく、 必要な眼圧下降と目への負担のバランスを考えて選択します。

院長 有田量一の経歴・資格を確認する

緑内障手術の種類と選び方|よくある質問

緑内障手術はどのように選びますか?

最初に必要な目標眼圧を考えます。 そのうえで病型、OCT・視野の状態と進行速度、隅角、 白内障、点眼治療、過去の手術歴などを確認して術式を検討します。

MIGSと線維柱帯切除術はどちらがよいですか?

一律にどちらがよいとは決められません。 MIGSは低侵襲性が特徴ですが、 より低い目標眼圧が必要な場合には 線維柱帯切除術などの濾過手術が適することがあります。

iStentとプリザーフロは何が違いますか?

iStentは線維柱帯からシュレム管へ続く 本来の房水流出経路を利用します。 プリザーフロは前房から結膜下へ新しい房水流出路を作ります。 作用する場所と期待する眼圧下降が異なるため、 目標眼圧などから選択します。

一番眼圧が下がる手術を選べばよいのでしょうか?

必ずしもそうではありません。 必要な眼圧下降を得ることは重要ですが、 合併症、術後管理、目の状態、将来の追加治療も考える必要があります。 必要以上に強い治療を行うことが目的ではありません。

正常眼圧緑内障でも濾過手術が必要になることがありますか?

あります。 一般的な正常範囲の眼圧でもOCTや視野が進行し、 さらに低い目標眼圧が必要と判断される場合には、 濾過手術を含む治療を検討することがあります。

白内障があればiStentを同時に入れた方がよいですか?

白内障があるだけでiStentを行うわけではありません。 緑内障の病型、隅角、現在の眼圧、目標眼圧、点眼治療などを確認し、 同時手術を行う意味があるかを判断します。

新しい手術の方が従来の手術より優れているのでしょうか?

「新しい=すべての患者さんに優れている」とは限りません。 低侵襲な手術には利点がありますが、 非常に低い目標眼圧が必要な場合などでは、 従来から行われている線維柱帯切除術が重要な選択肢になることがあります。

論文で成績がよい手術を選べばよいですか?

研究ごとに対象患者、緑内障の重症度、治療前眼圧、 白内障手術の併用、成功の定義、観察期間が異なります。 文献の数字をそのまま個々の患者さんへ当てはめるのではなく、 自分の目の条件と研究対象がどの程度似ているかを確認することが重要です。

緑内障手術をすると失った視野は戻りますか?

現在の緑内障治療では、 すでに失われた視野を元に戻すことは困難です。 手術は眼圧を下げることで、 今後の視神経障害・視野障害の進行を抑えることを目的に行います。

緑内障についてさらに詳しく見る

主な医学文献

以下の文献は、このページで説明した 「眼圧下降量」「SLT」「MIGS」「濾過手術」「進行緑内障」 「ECP」の考え方を確認するための代表的資料です。

日本緑内障学会|緑内障診療ガイドライン 第5版

緑内障の診断、目標眼圧、薬物・レーザー・手術治療についての国内ガイドライン。

PubMedで確認する
Heijl A, et al. Early Manifest Glaucoma Trial.

眼圧下降と緑内障進行リスクの関係を検討した代表的研究。

PubMedで確認する
Gazzard G, et al. LiGHT Trial 6-year results.

開放隅角緑内障・高眼圧症に対する初期SLTと点眼治療を比較した長期研究。

PubMedで確認する
Samuelson TW, et al. iStent inject randomized pivotal trial.

白内障を伴う軽度〜中等度原発開放隅角緑内障を対象としたランダム化比較試験。

PubMedで確認する
Panarelli JF, et al. MicroShunt versus trabeculectomy.

MicroShuntと線維柱帯切除術を比較したランダム化多施設研究の2年成績。

PubMedで確認する
King AJ, et al. TAGS 5-year results.

新規診断の進行開放隅角緑内障における初期線維柱帯切除術と薬物療法を比較した研究。

PubMedで確認する
Alasbali T. Endoscopic cyclophotocoagulation systematic review.

ECPと他の緑内障治療を検討したシステマティックレビュー。

PubMedで確認する

※各研究では対象となる患者さん、緑内障の病型・重症度、 術式、評価項目、観察期間が異なります。 掲載した研究結果を個々の患者さんへそのまま当てはめるものではありません。

福岡で緑内障手術の選択について相談したい方へ

「手術が必要と言われたが、iStentと濾過手術の違いが分からない」 「正常眼圧緑内障なのに、さらに眼圧を下げる必要があると言われた」 「白内障と緑内障を同時に手術できるのか知りたい」 といった段階からご相談いただけます。

福岡市中央区小笹の有田眼科では、 有田眼科 院長 有田 量一が、 眼圧、OCT、視野検査、隅角、白内障、点眼治療、過去の手術歴などを確認し、 必要な場合にはレーザー・緑内障手術を含めて治療方法を検討します。

有田眼科の緑内障手術について詳しく確認する

執筆・医学的内容の確認:有田眼科 院長 有田 量一

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