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2026.08.07

手術について

緑内障がある方の白内障手術|眼圧・視野・iStent同時手術|有田眼科

GLAUCOMA × CATARACT SURGERY

緑内障がある方の白内障手術は、
「白内障だけ」を見て決めません

緑内障と白内障は、どちらも見えにくさの原因になりますが、 障害されている場所と治療の目的は異なります。 有田眼科では、白内障の程度だけでなく、 眼圧、視神経、OCT、視野検査、隅角、 これまでの緑内障治療と進行速度を確認し、 白内障手術だけを行うのか、 緑内障手術を同時に行うのかを検討します。

眼圧だけで判断しない
視野・OCTを確認
隅角・病型を確認
同時手術も検討

白内障と緑内障では、「見えにくくなる理由」が違います

白内障と緑内障を併発している場合、 「どちらが現在の見えにくさに強く影響しているのか」を 手術前にできるだけ整理しておくことが重要です。

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白内障|水晶体が濁る

白内障では、目の中でレンズの役割をする水晶体が濁ります。 かすむ、まぶしい、夜間に見えにくい、 眼鏡を替えても視力が出にくいなどの症状がみられます。

白内障手術では濁った水晶体を取り除き、 眼内レンズへ置き換えます。

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緑内障|視神経が障害される

緑内障では、目から脳へ視覚情報を伝える視神経が障害され、 視野が少しずつ欠けていきます。

緑内障治療は、主に眼圧を下げることで 今後の視神経障害の進行を抑えることを目的とします。

白内障手術をしても、緑内障で失われた視野が元に戻るわけではありません。

白内障による「濁り」は改善を期待できますが、 すでに生じている緑内障性視神経障害は別の問題です。 そのため、手術前に視神経と視野がどの程度保たれているかを確認します。

緑内障がある方では、白内障術前検査に加えて確認したいことがあります

「今日の眼圧が正常だから大丈夫」とは限りません。 緑内障では眼圧だけでなく、視神経の形、 OCT、視野、これまでの変化を組み合わせて判断します。

眼圧

現在の眼圧だけでなく、 これまでどの程度の眼圧で推移してきたかも確認します。 同じ眼圧でも、その患者さんにとって十分低いかどうかは異なります。

眼底・視神経

視神経乳頭の陥凹や神経線維の状態を確認します。 緑内障がどの程度進行しているかを考える重要な検査です。

OCT

視神経周囲の網膜神経線維層や黄斑部の構造などを画像で評価し、 緑内障による構造的な障害を確認します。

視野検査

どの範囲まで視野が保たれているか、 過去の検査と比較して進行していないかを確認します。

隅角検査

房水の出口にあたる隅角が開いているか、 狭くなっているか、癒着している部分がないかを確認します。 同時手術を考える際にも重要です。

現在の緑内障治療

使用している点眼薬の種類と本数、 過去のレーザー治療や緑内障手術歴、 点眼を続けても進行していないかを確認します。

重要なのは「目標眼圧」です。

緑内障では、病期、現在までの視野進行、 治療前の眼圧、年齢などを考慮して、 その患者さんで視神経を守るために目指す眼圧を考えます。 白内障手術と同時に緑内障手術を行うかどうかも、 この目標と現在の状態を踏まえて判断します。

白内障手術で改善する部分と、改善しない部分を分けて考えます

白内障手術で改善を期待する部分

  • 水晶体の濁りによるかすみ
  • 白内障によるまぶしさ
  • 白内障によるコントラスト低下
  • 水晶体の濁りによる視力低下

白内障手術だけでは戻らない部分

  • 緑内障によって失われた視野
  • 進行した視神経障害による見えにくさ
  • 緑内障以外の網膜・黄斑疾患による障害
  • すでに不可逆的となった視機能障害
視力表の数字だけでは決めません。

中心の視力が比較的良くても視野が狭くなっている方もいます。 反対に、視野障害は軽くても白内障のまぶしさやかすみが 日常生活へ大きく影響している方もいます。 運転、仕事、読書、歩行などでの困り方も確認します。

緑内障の種類によって、白内障手術の意味も変わります

緑内障には複数の病型があり、 すべて同じ考え方で白内障手術や同時手術を行うわけではありません。

開放隅角緑内障

眼圧・視野進行と現在の点眼治療から考えます

房水の出口である隅角は開いていますが、 房水が流れ出る際の抵抗などによって眼圧が視神経へ影響します。 白内障手術が必要な方で条件が合えば、 iStent inject Wなどの低侵襲緑内障手術を 同時に検討できる場合があります。

正常眼圧緑内障

「眼圧が正常範囲だから治療不要」ではありません

診察時の眼圧が一般的な正常範囲でも、 その患者さんの視神経にとっては高い場合があります。 視野・OCTの進行、これまでの眼圧、 必要な目標眼圧から治療方針を考えます。

iStentなどを同時に行うかは、 病型、隅角、現在の治療内容などを個別に評価します。

閉塞隅角緑内障

水晶体を取り除くこと自体が隅角を広げる治療になる場合があります

閉塞隅角では水晶体の厚みや位置が 虹彩を前方へ押す要因の一つになることがあります。 水晶体を取り除いて眼内レンズへ置き換えることで、 前房が深くなり、隅角が広がることが期待できます。

ただし、すでに隅角の癒着が広範囲にある場合などは、 白内障手術だけでは十分な眼圧下降が得られないことがあります。

落屑緑内障

眼圧だけでなく、水晶体を支える組織にも注意します

落屑症候群では眼圧が不安定になりやすいだけでなく、 瞳孔が十分に開きにくい、 水晶体を支えるチン小帯が弱くなっている場合があります。

白内障手術そのものの難易度にも関係するため、 術前検査と手術中の慎重な対応が必要です。

「緑内障」という病名だけで、同時手術の適応は決まりません。

開放隅角か閉塞隅角か、緑内障の進行度、 目標眼圧、隅角の状態、過去の手術歴などによって 適切な方法は異なります。

白内障手術だけにするか、緑内障手術を同時に行うか

白内障と緑内障が両方ある場合でも、 必ず同時手術をするわけではありません。 有田眼科では、現在の視野と眼圧、 必要な眼圧下降の程度から手術方法を考えます。

白内障手術単独を検討する場合

緑内障が比較的安定している、 現在の点眼で目標眼圧を保てている、 緑内障手術を追加する必要性が高くない場合などは、 白内障手術だけを行うことがあります。

白内障手術+低侵襲緑内障手術を検討する場合

白内障手術が必要な開放隅角緑内障で、 さらに眼圧を下げたい、 使用している緑内障点眼薬を減らせる可能性を考えたい場合などには、 iStent inject Wなどの同時手術を検討します。

より大きな眼圧下降が必要な場合

緑内障が進行している、 目標眼圧が低い、 現在の治療でも眼圧コントロールが不十分な場合には、 iStentだけでは必要な眼圧下降を得られない可能性があります。

緑内障の状態に応じて、 別の緑内障手術を検討します。

閉塞隅角の場合

水晶体摘出による隅角の開大自体が治療の一部となる場合があります。 一方、広範囲の隅角癒着や残る高眼圧がある場合は、 追加の緑内障治療を検討します。

「同時にできるから行う」のではなく、「同時に行う意味があるか」で判断します。

緑内障手術にはそれぞれ得意な眼圧範囲とリスクがあります。 目標眼圧や視野の残り方に対して、 期待できる効果が合っているかを考えることが重要です。

白内障手術と同時に行うiStent inject W

有田眼科では、緑内障を合併した白内障の患者さんに対して、 適応を確認したうえでiStent inject Wを使用した 低侵襲緑内障手術に対応しています。

房水の出口を改善

iStentは線維柱帯を介してシュレム管への 房水の流れを改善するための小さな医療機器です。

白内障手術の切開を利用

白内障手術で作成した角膜の切開創から器具を入れ、 隅角を確認しながら留置します。

眼圧・点眼数の減少を目指す

白内障手術単独よりも眼圧下降を得ることや、 緑内障点眼薬を減らせることを目標にします。 効果には個人差があります。

iStent inject Wは、すべての緑内障に使用する治療ではありません。 特に緑内障の病型、進行度、隅角、 現在の眼圧下降薬、過去の治療歴を確認して適応を判断します。

iStentを検討しやすいケース

  • 白内障手術を予定している
  • 開放隅角緑内障である
  • 軽度~中等度の段階である
  • 眼圧下降薬を使用している
  • さらに眼圧下降を検討したい
  • 点眼負担を減らせる可能性を考えたい

別の方法を考える可能性があるケース

  • 閉塞隅角でiStentの適応に合わない
  • より大きな眼圧下降が必要
  • 進行した緑内障で目標眼圧が低い
  • 隅角の状態が留置に適さない
  • ほかの緑内障手術の方が適している
iStentを入れれば、緑内障が治るわけではありません。

視神経障害を元に戻す手術ではなく、 眼圧を下げることで今後の進行を抑えるための治療の一つです。 術後も眼圧、OCT、視野などの経過観察が必要です。

進行した緑内障では、「白内障が取れた後の見え方」を慎重に考えます

緑内障がかなり進んでいる場合でも、 白内障による濁りが日常生活を妨げていれば 白内障手術を検討することがあります。

ただし、視神経障害が強い場合には、 水晶体の濁りを取り除いても 視力や見え方の改善に限界がある可能性があります。

中心視野がどの程度残っているか

視野障害が進行している場合は、 中心部に残っている視機能を含めて評価します。

反対眼の見え方

両眼の視野と視力、 日常生活でどちらの目を主に使っているかも 手術時期を考える重要な要素です。

現在の進行速度

同じ視野障害でも、 長期間安定している場合と 短期間で進行している場合では治療方針が異なります。

必要な目標眼圧

視野障害が進行している場合は、 より低い眼圧を目標にする必要がある場合があります。 その場合、低侵襲手術だけでは不十分なことがあります。

白内障手術後も、緑内障治療は終わりではありません

白内障手術後に見え方が明るくなっても、 緑内障がなくなったわけではありません。 術後は白内障手術の経過と同時に眼圧を確認し、 その後も視神経・OCT・視野の経過をみます。

術後早期の眼圧

手術後は眼圧が適切に保たれているかを確認します。 必要に応じて眼圧下降薬を調整します。

緑内障点眼薬

iStentなどを併用した場合でも、 術後すぐにすべての緑内障点眼薬を自己判断で中止しないでください。 眼圧を確認して医師が調整します。

視野・OCT

白内障手術後も、 緑内障が安定しているかを長期的に確認します。 必要な間隔で視野検査やOCTを続けます。

目標は「白内障を治すこと」と「これからの視野を守ること」の両方です。

白内障手術で見え方を改善させながら、 緑内障による視神経障害の進行をできるだけ抑えることを考えます。

眼内レンズについては、緑内障の程度も考慮します

白内障手術では眼内レンズを挿入します。 緑内障がある方では、 視神経障害や視野障害の程度も踏まえてレンズを検討します。

ただし、単焦点・多焦点などの眼内レンズの種類、 各製品の特徴、費用については、 眼内レンズ専用の副親ページで詳しくご案内します。

高価な眼内レンズや新しい眼内レンズが、すべての緑内障患者さんに適しているわけではありません。

目の状態と生活上必要な見え方から選ぶことが重要です。

緑内障と白内障手術についてよくある質問

緑内障があっても白内障手術はできますか?

多くの場合、緑内障があることだけで 白内障手術ができないと決まるわけではありません。 緑内障の病型、進行度、眼圧、視野、 現在の治療状況を確認して手術方法を考えます。

白内障手術をすると緑内障も治りますか?

緑内障そのものが治るわけではありません。 白内障手術は濁った水晶体を取り除く治療です。 緑内障によってすでに失われた視野を 白内障手術で回復させることはできません。

白内障手術と緑内障手術は同時にできますか?

病型や進行度によって可能です。 白内障を合併した軽度~中等度の開放隅角緑内障では、 iStent inject Wなどの低侵襲緑内障手術を 同時に検討できる場合があります。

iStentを入れると目薬をやめられますか?

点眼薬を減らせる可能性はありますが、 全員が点眼不要になるわけではありません。 術後の眼圧と目標眼圧を確認して、 継続・減量・変更を判断します。

正常眼圧緑内障でも同時手術をした方がよいですか?

眼圧の数字だけでは判断しません。 視野の進行、OCT、必要な目標眼圧、 隅角、現在の点眼治療などを確認し、 同時手術に意味があるかを個別に判断します。

閉塞隅角緑内障でも白内障手術はできますか?

閉塞隅角では水晶体摘出によって 隅角を広げる効果が期待できる場合があります。 ただし癒着の範囲や眼圧、 視神経障害の程度によって追加治療が必要になることがあります。

白内障手術後は緑内障の通院をやめてもいいですか?

やめないでください。 白内障手術後も緑内障の経過観察が必要です。 眼圧だけでなく、視神経、OCT、視野を継続して確認します。

緑内障の目薬は手術前後に止めますか?

自己判断では中止しないでください。 使用中の薬剤、手術方法、術後の眼圧によって対応が異なります。 有田眼科からの指示に従ってください。

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緑内障がある方も、白内障手術を決める前からご相談ください

白内障による見えにくさと緑内障による視野障害を分けて評価し、 現在の眼圧、視野、OCT、隅角、 これまでの緑内障治療を確認したうえで、 白内障手術単独か、緑内障治療を同時に行うかを考えます。

有田眼科 院長 有田 量一
〒810-0033 福岡県福岡市中央区小笹2丁目2-3

執筆・医学的内容の確認:有田眼科 院長 有田 量一

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