若いころの水晶体とは違います
眼内レンズは、若いころの水晶体のように自由にピントを変えるものではありません。レンズの設計によって見えやすい距離や特徴が異なります。
News & Medical Guide
お知らせ・医療ガイド
2026.05.06
治療について
眼内レンズの選び方|目の状態・生活・見たい距離で考える|有田眼科
白内障手術で使用する眼内レンズは、手術後の見え方や眼鏡の使い方に関わる大切な選択です。有田眼科では、レンズの名前や価格だけで決めるのではなく、白内障以外の目の状態と、運転・仕事・読書・スマートフォン・趣味などの日常生活を確認して一緒に考えます。
白内障手術では、濁った水晶体を取り除き、その代わりに眼内レンズを目の中へ入れます。眼内レンズには単焦点、多焦点、焦点深度拡張型(EDOF)、乱視矯正用などがあり、それぞれ見え方の特徴が異なります。
眼内レンズは、若いころの水晶体のように自由にピントを変えるものではありません。レンズの設計によって見えやすい距離や特徴が異なります。
目の状態や生活によっては、多焦点より単焦点の方が見え方の質を重視するうえで適している場合があります。
眼内レンズは通常、後から何度も入れ替えることを前提にしていません。手術前に希望する見え方を具体的に確認します。
主に一つの距離へピントを合わせます。焦点が合う距離では比較的くっきりした見え方を目指し、その他の距離では眼鏡を使用します。
複数の距離へ光を振り分け、眼鏡を使う場面を減らすことを目指します。ハロー・グレアやコントラスト低下を感じる場合があります。
遠方から中間など、焦点が合う範囲を広げることを考えた設計です。近方で眼鏡が必要になる場合があります。
角膜乱視を補正する機能を持つ眼内レンズです。単焦点・多焦点など、それぞれに乱視矯正用モデルがある場合があります。
| 比較 | 単焦点 | 多焦点・複数焦点型 | EDOF |
|---|---|---|---|
| 主な考え方 | 一つの距離を明確に重視 | 複数距離で眼鏡依存を減らすことを目指す | 遠方から中間など見える範囲を広げる |
| 眼鏡 | 焦点が合わない距離で必要 | 必要になる場合もある | 近方などで必要になる場合がある |
| 夜間の光 | 比較的影響が少ない設計が多い | ハロー・グレアを感じる場合がある | 設計によって特徴が異なる |
| 適応 | 目の状態と希望距離を確認 | 網膜・視神経・角膜などをより慎重に確認 | 目の状態と生活上の希望を確認 |
同じ眼内レンズでも、目の状態によって期待できる見え方は異なります。有田眼科では、白内障の程度だけでなく、網膜、黄斑、視神経、角膜、乱視、ドライアイなどを確認したうえでレンズを検討します。
黄斑上膜、黄斑円孔、糖尿病網膜症、黄斑浮腫などがある場合、白内障を取り除いた後も見え方へ影響が残ることがあります。
緑内障などで視神経にダメージがある場合は、視野やコントラストなども考慮して眼内レンズを慎重に検討します。
角膜の形、乱視の種類、ドライアイなども手術後の見え方や眼内レンズの計算に影響するため確認します。
「遠く・中間・近く」のどこを見やすくしたいかだけでなく、実際の生活場面まで具体的に確認すると、手術後の見え方をイメージしやすくなります。
運転、テレビ、ゴルフ、屋外活動など。特に夜間運転をする場合は、光のにじみやハロー・グレアも考慮します。
パソコン、料理、家事、デスクワーク、室内作業など。日常生活で使うことが多い距離です。
読書、新聞、スマートフォン、裁縫、細かな手作業など。どの程度の近さを裸眼で見たいかも確認します。
「完全に眼鏡を使いたくない」のか、「細かな文字だけ眼鏡を使ってもよい」のかで選択肢は変わります。眼鏡を使っても困らない場面も一緒に考えます。
暗い場所での仕事、細かな作業、スポーツ、旅行など、視力表だけでは分からない生活上の優先順位を確認します。
眼内レンズは、同じ「多焦点」「EDOF」と呼ばれるものでも、重視する距離や光学設計が異なります。有田眼科の公式記事ですでに使用している製品画像を掲載し、見た目でも違いを確認しやすいようにまとめました。

遠方を基本にしながら中間距離まで見える範囲を広げることを考えた眼内レンズです。乱視矯正用モデルもあります。一般的な3焦点多焦点眼内レンズとは見える範囲の考え方が異なります。
レンティス コンフォートを詳しく見る遠方・中間・近方のどこを重視するか、夜間の見え方、眼鏡をどの程度減らしたいかによって候補が変わります。

HOYA社の3焦点多焦点眼内レンズです。Gemetricは遠方、Gemetric Plusは手元・近方をより重視する考え方で、乱視矯正用モデルもあります。
Vivinex Gemetricを詳しく見る
遠方から近方まで、距離の間を含めた連続的な見え方を目指す回折型の多焦点眼内レンズです。乱視矯正用モデルも選択肢になります。
TECNIS Odysseyを詳しく見る
回折リングを用いずに焦点深度を広げ、遠方から中間、日常生活で必要となる近方までの見え方を目指すEDOF眼内レンズです。
TECNIS PureSeeを詳しく見る
遠方・中間・近方の3つの距離を重視する多焦点眼内レンズです。眼鏡を使う場面を減らすことを目指しながら、夜間の光の見え方なども含めて検討します。
Clareon PanOptix Proを詳しく見る角膜乱視がある場合、乱視矯正機能を持つ眼内レンズを検討することがあります。乱視の原因や程度によって適応は異なり、乱視が完全になくなることを保証するものではありません。
トーリック眼内レンズでは、計画した軸へレンズを合わせることが重要です。有田眼科ではVERION Image Guided Systemを手術計画と術中の位置合わせに活用しています。
白内障の程度、角膜、乱視、網膜、黄斑、視神経、ドライアイなどを確認します。
仕事、運転、読書、パソコン、スマートフォン、スポーツ、趣味などを伺います。
見えやすい距離だけでなく、眼鏡が必要になる場面やハロー・グレアなども説明します。
検査結果と希望を踏まえ、レンズの種類と目標とする見え方を一緒に整理します。
白内障の程度や目全体の状態を確認し、手術が必要か、どの時期に行うか、どの眼内レンズを選ぶかを順番に整理します。有田眼科の白内障手術ページでは、日帰り手術、麻酔・鎮静、VERION、合併症への対応、術後診察までご案内しています。
執筆・医学的内容の確認: 有田眼科 院長 有田 量一
最終更新:
執筆・医学的内容の確認:有田眼科 院長 有田 量一