持病・目の病気がある方の
白内障手術
緑内障、黄斑上膜、黄斑円孔、糖尿病網膜症などがある場合、 白内障だけをみて手術方法や時期を決めることはできません。 また、抗血栓薬、心臓の病気、認知症などがある方では、 全身状態や術後の管理まで含めて手術が可能かを検討します。
このページで扱う内容
- 高齢の方の白内障手術
- 緑内障がある方
- 黄斑上膜・黄斑円孔がある方
- 糖尿病・糖尿病網膜症がある方
- 網膜剥離手術後の方
- 抗血栓薬を服用している方
- 認知症・ペースメーカーがある方
- 浅前房・狭隅角がある方
目の状態、全身状態、服用薬、手術中の姿勢、 術後の点眼や通院が可能かなどを確認して判断します。
有田眼科の白内障手術について知りたい方へ
日帰り白内障手術、眼内レンズ、麻酔・鎮静、費用、合併症、手術前後の流れなどは、有田眼科の「福岡の白内障手術」ページにまとめています。
福岡の白内障手術を詳しく見る目の病気がある方の白内障手術
白内障以外の病気がある場合は、 白内障を取り除けばすべての見えにくさが改善するとは限りません。 網膜、黄斑、視神経、眼圧などを確認して、 どの病気が見え方へ影響しているかを考えます。
緑内障がある方の白内障手術
緑内障があっても白内障手術を受けられる場合があります。 ただし、緑内障の病型、眼圧、視神経、視野、 隅角の状態によって手術時期や方法が異なります。
確認する主な項目
- 眼圧
- 視神経の状態
- OCT
- 視野検査
- 隅角の状態
- 使用している緑内障点眼薬
白内障手術後に眼圧が変化することはありますが、 緑内障による視神経障害が元に戻るわけではありません。 手術後も緑内障の経過観察が必要です。
黄斑上膜がある方の白内障手術
黄斑上膜では、網膜の中心部である黄斑に膜が張り、 物のゆがみや視力低下がみられることがあります。
白内障手術で水晶体の濁りが取れても、 黄斑上膜によるゆがみや中心部の見えにくさが残る場合があります。 OCTで黄斑の状態を確認し、 白内障と黄斑上膜のどちらが見え方へ強く影響しているかを判断します。
検討される方法
- 白内障手術を先に行う
- 黄斑上膜の硝子体手術を先に行う
- 状態により同時手術を検討する
- 症状が軽い場合は経過をみる
黄斑円孔がある方の白内障手術
黄斑円孔では、中心がみえにくい、物がゆがむ、 文字が欠けるなどの症状がみられます。
黄斑円孔が見えにくさの主な原因である場合、 白内障手術だけでは十分な改善が得られないことがあります。 OCTで黄斑円孔の状態を確認し、 硝子体手術と白内障手術の順序を検討します。
年齢や水晶体の状態によっては、 硝子体手術と白内障手術を同時に検討する場合があります。
糖尿病・糖尿病網膜症がある方の白内障手術
糖尿病がある方では白内障が比較的早く進むことがあります。 また、糖尿病網膜症や糖尿病黄斑浮腫が 見えにくさに影響している場合があります。
確認する主な項目
- 血糖管理と全身状態
- 糖尿病網膜症の進行度
- 黄斑浮腫の有無
- 眼底検査・OCT
- レーザーや眼内注射などの治療歴
網膜症や黄斑浮腫の治療を白内障手術より先に行う場合があります。 白内障を取り除いても、網膜の障害がある場合には 見え方の改善が限られることがあります。
網膜剥離・硝子体手術後の白内障
網膜剥離などに対する硝子体手術後は、 水晶体の濁りが進み白内障手術が必要になることがあります。
白内障手術前に確認すること
- 網膜が安定しているか
- 網膜剥離の範囲と手術歴
- シリコーンオイルの有無
- 水晶体を支える組織の状態
- 黄斑部の状態
- 眼内レンズ度数計算への影響
網膜が安定していても、 黄斑部に障害が残っている場合は 白内障手術後の見え方に影響することがあります。
持病・服用薬がある方の白内障手術
白内障手術では、目だけでなく全身状態も確認します。 持病がある場合も、病名だけで手術の可否を決めるのではなく、 現在の治療状況や服薬内容、手術中の姿勢、 術後管理が可能かを確認します。
高齢でも白内障手術はできますか?
年齢だけを理由に白内障手術ができないとは限りません。 高齢の方では、次のような点を確認します。
- 心臓・肺・血圧などの全身状態
- 手術中に仰向けの姿勢を保てるか
- 医師やスタッフとの意思疎通が可能か
- 術後の点眼を続けられるか
- 術後通院や帰宅方法を確保できるか
- 家族や介護者の支援が必要か
抗血栓薬を飲んでいても白内障手術はできますか?
抗血小板薬や抗凝固薬を服用している方でも 白内障手術を受けられる場合があります。 ただし、薬の種類、服用理由、全身状態、 予定する手術方法などを確認して判断します。
薬を中止すると、心筋梗塞、脳梗塞、血栓症などの 危険が高まる場合があります。 お薬手帳や薬の一覧を受診時にお持ちください。
認知症がある場合の白内障手術
認知症の診断があるという理由だけで、 白内障手術が一律にできないわけではありません。
主に確認すること
- 診察や検査へ協力できるか
- 手術中に大きく動かずにいられるか
- 呼びかけや説明を理解できるか
- 術後に目を強くこすらないようにできるか
- 点眼や通院を家族が支援できるか
- 本人の意思と生活上の利益
手術中の安静が難しい場合や全身管理が必要な場合には、 麻酔体制や設備の異なる医療機関を検討することがあります。
ペースメーカーがある場合の白内障手術
ペースメーカーがあるだけで、 白内障手術が一律に受けられないとは限りません。 心臓の状態、ペースメーカーの種類、 最近の検査結果などを確認します。
受診時に確認したい内容
- ペースメーカー手帳
- 植込み時期
- 不整脈や心不全の治療状況
- 循環器内科の通院先
- 抗血栓薬などの服用状況
手術方法や併用する処置によっては、 循環器内科への確認が必要になる場合があります。
浅前房・狭隅角がある方
浅前房とは、角膜と虹彩の間にある前房が浅い状態です。 隅角が狭い場合は、眼圧が急に上昇する 急性緑内障発作の危険性を評価します。
白内障手術を検討する場合
水晶体を取り除く白内障手術によって 前房や隅角が広がることがあります。 ただし、浅前房という所見だけで 直ちに白内障手術が決まるわけではありません。
確認する主な項目
- 隅角の狭さ
- 眼圧
- 急性発作の症状や既往
- 視神経の状態
- 視野の状態
- 白内障による生活への影響
急性緑内障発作の可能性があります。 早めに眼科を受診してください。
持病や他の目の病気があっても、まず状態を確認します
白内障だけでなく、網膜、黄斑、視神経、眼圧、 全身状態や服用薬を確認したうえで、 手術が可能か、どの治療を先に行うかを考えます。
- 他の眼疾患が見え方へ与える影響を確認
- 持病・服用薬を確認
- 必要に応じて他科・他院と連携
- 術後の点眼・通院まで含めて検討